Scientific Exploration

symposium

 

融合研究への取り組み:
私たちは融合研究にもとづいた様々なワークショップを企画してきました。
ご興味のある学生、研究者の方はご連絡ください。
連絡先: ikura.tsuyoshi.3m(%)kyoto-u.ac.jp
※(%)を@に変換してください。

シンポジウム・ワークショップ・フォーラム企画

第97回日本生化学会大会

今年度生化学会大会シンポジウムに採択されました!

「生命の相互扶助論:不均一性から生まれる協調性の進化」
シンポジウム企画 (井倉 毅 (京都大学)、田守洋一郎 (京都大学))
2024年 11月8日(予定) 横浜
「同種間異種間を問わず、相互扶助が生存や繁栄の重要な手段となっているシステムは、微生物から人間の社会まで生命のあらゆる階層で認めることができる。細胞レベルでも、同一のストレス環境下において集団内の個々のストレス応答は、我々が想像していた以上に多様であり、不均一性が集団としての協調性の進化に繋がることが明らかになりつつある。本シンポジウムは、“集団内の不均一性”と“不均一集団から生じる協調性”を環境ストレスや栄養飢餓などに対する生命の適応戦略として捉える新しい研究領域において、がん細胞や微生物などから得られてきた研究成果をもとに、生命機能の進化における不均一性と協調性の関係とその意義に迫りたい。」

第96回日本生化学会大会

「次世代生化学展望:多様性の中に潜む普遍則の解明」
シンポジウム企画 (井倉 毅 (京都大学)、沖 昌也 (福井大学))
2023年 11月1日 福岡市
「最近の単一細胞解析の進展により、分子の揺らぎあるいは発現量のバラツキなどが観察されるようになり、個々の細胞応答は、実に多様であることが明らかになった。分子機械論的にはこれら揺らぎやばらつきは負の要素に見えるが、細胞分化、ストレスに対する頑強性の獲得など、細胞集団としてはある一定の法則に従っていることも事実であり、生命はこれら揺らぎやバラツキを有効に活用させている側面があることが窺える。今後は、生命機能の真の理解には、これら多様性の中に潜む普遍的な法則の抽出が重要である。
本シンポジウムでは、ウエットからドライあるいはドライからウエットの方向で生化学的手法と機械学習などの数理的アプローチとの融合研究を展開し、転写、エピゲノム、代謝変動などを題材にして原核生物から真核生物に至る多彩な生命機能の多様性の理解に挑戦している研究者の最近の知見を紹介しながら、次世代の生化学研究の展望を議論したい。」

第95回日本生化学会大会

「異分野融合研究の醍醐味:揺らぎ、振動、バラツキに視点をおいた生命科学研究の新たな到達点」
シンポジウム企画 (井倉 毅 (京都大学)、今吉 格 (京都大学))
2022年 11月10日 名古屋市
「最近、数理生命科学の進歩に伴い、既存の生化学的解析との融合研究の重要性が唱えられている。実験研究者は、既存の知見を基にしたモデルから、仮説を構築し、実験を行うが、時として要素還元的アプローチの中で既存のモデルに沿わない実験結果を手にすることがある。数理的解析を含めた異分野との交流の中にその乖離を解決するヒントを探り、既存のモデルを更新し、真実に迫ることが、融合研究の醍醐味ではなかろうか。現在、生物学は遺伝子発現や分子の揺らぎ、振動、バラツキなど、分子機械論的には説明できない問題に直面している。本シンポジウムでは、環境応答や幹細胞制御など多彩な分野の研究者が、これら動的生命現象の時空間制御の意義を、数理統計学との融合あるいはイメージングや光制御などのデバイス開発などの新技術を駆使し、既存のモデルを更新していく様を提示しながら、生命科学における異分野融合研究の将来展望について議論したい。」

日本放射線影響学会第65回大会

「放射線影響の多様性研究と放射線棒後・医学物理研究の接点を探して」
ワークショップ企画 (古谷寛治 (京都大学)、本庶仁子 (広島大学))
2022年 9月15日 大阪市
「細胞や個体の放射線に対する感受性は、環境や発生段階などさまざまな状況に応じて変化することが知られており、刻一刻と変化する生命現象に視点を置いた放射線生物影響の知見は、放射線防護を考える上でも重要であると予想できる。しかしながら、放射線生物影響の基礎研究と放射線防護研究は表裏一体な側面があるにもかかわらず、必ずしも相互理解が進んでいない。そこで本大会では、放射線影響の多様性に、個体発生、放射線発がんの視点から迫る生物研究者や医学物理や放射線防護分野から探る研究者を集めた異分野ワークショップを企画することで、基礎研究と放射線防護との接点を模索する機会としたい。」

第94回日本生化学会大会

「生命科学におけるデータ駆動型アプローチ」
シンポジウム企画 (井倉 毅 (京都大学)、本田 直樹 (広島大学/京都大学/自然科学研究機構))
2021年 11月5日 web開催
「近年、生物学の分野では、生体イメージングや次世代シーケンサーを代表とする計測技術などのハイスループットな研究手法の発展に伴い大量のデータが蓄積されている。今まさに生物学は数理的アプローチとの融合を必要としている。しかしながら、複雑かつ動的な生命現象の背後に潜む規則性やメカニズムをデータから抽出するための融合研究は、ほとんど浸透していないのが現状である。この問題に対して、生化学で主に行われてきた要素還元的アプローチと数理モデリングに基づく構成論的アプローチとの接点を見出すことで、それらの乖離を埋める必要がある。そこで本シンポジウムでは、異なる方向性で研究を行ってきた実験および数理研究者が一堂に会するとで、乖離の問題点を抽出し、今後の生化学研究の新たな視点を提供したい。」

第93回日本生化学会大会

「代謝物再興:生命機能におけるエピゲノムとダイナミズムの制御因子」
シンポジウム企画 (井倉 毅 (京都大学)、五十嵐 和彦 (東北大学))
2020年 9月14日 パシフィコ横浜
「栄養源に由来する代謝物は、最近の知見により、素材・エネルギー源としての役割に加え、シグナル因子としての機能が再認識され、DNA、RNA、ヒストンなどの化学修飾を調節することが明らかにされつつある。本シンポジウムでは、ゲノムストレスや細胞の分化・がん化過程の中で変動する代謝物に着目し、その変動に支配されるエピゲノムの変化、そして遺伝子発現や修復反応におけるダイナミックな分子ネットワークとの関係を、生化学的解析に加え、システム生物学やケミカルバイオロジーなどの多面的なアプローチによって紐解く。代謝物が複数の生化学的素反応を統合して分子ネットワークを構築する様々な例を取り上げ、連携機構の理解に基づいて生命機能のダイナミズムについて議論し、研究手法も含めた今後の課題を討論したい。」

第42回日本分子生物学会年会

「デルブリュックの忘れ物:たゆまぬモデルの更新に向けて」
フォーラム企画(井倉 毅(京都大学)、白木 琢磨(近畿大学))
2019年 12月3日 福岡市
「分子生物学の創始者とも言われるマックス・デルブリュックは、生物を分子でとらえる分子生物学の行き着く先に、分子のみでは語ることの出来ない新しい生命像のモデルが生まれる事を期待していた。しかし、1953年のDNA2重らせん、1971年コノプカによるピリオド時計遺伝子の発見などは、彼の期待を打ち砕いたと言われている。結局、彼は分子生物学を諦め生物物理学へと移っていった。今ではすっかり忘れられている1968年の論文「生物分子の拡散における次元縮約」で引用された“Under these circumstances, one would be surprised if Nature had made no use of this possibility” (Dirac1931)に込められた分子生物学への思いを出発点に、本フォーラムでは、分子生物学で何ができたか、何ができなかったか?について、研究、産業、教育の視点から議論することで、新しい時代の羅針盤にしたい。」
演者
>「次を超える人と共に挑戦~Beyond Next Ventures
」盛島真由(Beyond Next Ventures株式会社)
>「学部生が挑む、合成生物学の世界大会
」島添將誠(京都大学iGEM)

第92回日本生化学会大会

「伝統と革新の生化学研究」
シンポジウム企画 白木 琢磨(近畿大学)、井倉 毅(京都大学)
2019年 9月20日 パシフィコ横浜
「生化学反応を基盤とする生命現象を分子レベルで理解することは、分かり易さを求めるという点では極めて重要であった。しかしながら分子同士の直接相互作用から立てたモデルと、生命活動に見られる複雑な現象には未だ深い溝が横たわっている。ミクロとマクロの間の階層を乗り越える際に見られる情報縮約を読み解く新しい考え方が必要である。古典的反応速度論解析(ミカエリス・メンテン式など)からシステムズバイオロジーに至るまで、基本的には集団の平均値に対するモデル近似を基盤としているため、今後はばらつきや動態、個性などを取り込んだ時空間モデルによる革新的生化学解析により、ミクロとマクロの橋渡しをしていくことが重要である。本シンポジウムでは、生化学の置かれたこの状況に挑戦している演者にその思考のプロセスを紹介して頂く。」

第41回日本分子生物学会年会

「人工知能に負けない研究」
ワークショップ企画(井倉 毅(京都大学)、白木 琢磨(近畿大学))
2018年11月30日 横浜市
「研究分野として成熟した分子生物学は、研究を進めるための技術的な手続きになりつつある。研究がパターン化してしまうと、おそらく近い将来は人工知能が次々と分子機構モデルを描く時代になるであろう。我々研究者は何を目指すべきか?「経験により確かめられた従来の現象把握の方法から出立し、それによっては説明できない事実に促され、次第にそれを修正していくことによって初めて得られるであろう。」(リーマン)自分自身の研究にほころびを見つけ、試行錯誤しながら研究を行っている研究者に、思考の過程を発表してもらい、今後の生物学研究の流れについて議論したい。」

第91回日本生化学会大会

「状態論的考察に立脚した動的生命像」
シンポジウム企画(井倉 毅(京都大学)、松田知成(京都大学))
2018年9月26日 京都市
「生体を分子で構成された機械に例えて、細胞増殖や分化など、多彩な生命現象を分子レベルで解析し、決定論的にその仕組みを表現することが、現代の生化学/分子生物学の一つの潮流になっている。その一方で、バイオイメージング技術や単一細胞解析の進展により、生体内での分子動態とそれに伴う生体応答には、精密さを求める機械とは異なり、予想以上に分子の揺らぎと細胞レベルでのバラツキが存在することが明らかになってきた。生体には、揺らぎやバラツキを許容し、むしろ活用しながら、様々な環境変化に対応するための巧妙な仕組みが存在していることが伺える。この仕組みとは如何なるものか?本シンポジウムでは、従来の生化学に基づいた生物学に物理学や統計力学的見解を対峙させながら、生命動態における状態論的考察、すなわち揺らぎやバラツキを考察するための新たな方法論の開拓の可能性を探ると共に、次世代の生化学研究の展望について議論したい。」

生命科学系学会合同年次大会 ConBio 2017

「必然から偶然に向かう生物学の新潮流」
ワークショップ企画(井倉 毅(京都大学)、白木 琢磨(近畿大学))
2017年12月7日 神戸市
「遺伝学を源流とする決定論的分子生物学の流れは、テクノロジーの進歩に後押しされて大成功をおさめた。一方、モノーが述べた偶然性とは、タンパク質合成が遺伝的な調節制御なのに対し、合成されたタンパク質は遺伝的支配から開放され独自の行動をとることができることにあった。ここで言う独自の行動とは、モノーの研究ではフィードバック制御、アロステリック制御という概念に相当する。これらの仕組みがDNAを中心とした決定論的プロセスの中からいかにして生まれるのか?この問いは今も存在し続けている。
本ワークショップでは、それぞれの分野で、個体から細胞、さらには分子・ゲノムへと決定論的分子生物学を追求して階層を掘り下げてきた研究者により、新しい生命像を描いてもらう事を目標とした。生命を動的にとらえる数理や進化などの新しい視点からの生命像を提示することで、若手研究者が、わくわくするような生命科学の未来を描けるようなワークショップにしたい。」

第39回 日本分子生物学会年会

「ちいさな数理の見つけ方」
シンポジウム企画(井倉 毅(京都大学)、白木 琢磨(近畿大学))
2016年12月2日(金)パシフィコ横浜 横浜市
「分⼦⽣物学が明らかにしてきた膨⼤なデータを前に、我々は途⽅に暮れている。このような状況認識を共有し、新しい道を模索する目的で、本シンポジウムでは数理と分⼦⽣物学の対話を試みる。科学の歴史をひもとけば、技術の発展、知識の集積、理論によるブレークスルーは順番に訪れている。⽇々⾏っている⽣物学実験の裏には、多くの数理が潜んでいるはずである。本シンポジウムの様々な分野での研究事例から、学⽣さんや若⼿研究者に「ちいさな数理の⾒つけ⽅」を学んでもらいたい。」

>2017年1月18日付の第20期理事長挨拶にて杉本亜砂子理事長より「新たな研究の潮流を感じさせるシンポジウム」のひとつとして紹介されました。
( https://www.mbsj.jp/admins/messages/20th_sugimoto_201701.html)

第89回 日本生化学会大会

「細胞のロバストネスを規定する蛋白質複合体のダイナミクス」
シンポジウム企画(井倉 毅(京都大学)、古谷寛治(京都大学))
2016年9月26日(月) 仙台市

第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会合同大会

「ゲノムストレス応答における普遍性と多様性の相互転換」
ワークショップ企画(井倉 毅(京都大学)、白木 琢磨(近畿大学))
2015年12月1日〜4日、神戸市

京都大学大学院生命科学研究科
附属放射線生物研究センター クロマチン動態制御学分野

〒606-8501 京都市左京区吉田近衛町
Tel: 075-753-7556 FAX: 075-753-7564

Laboratory of Chromatin Regulatory Network
Radiation Biology Center
Grad. School of Biostudies, Kyoto University

Yoshida-Konoe-cho Sakyo-ku Kyoto Japan P.O. 606-8501