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■氏  名:

松本 義久(まつもと よしひさ)

■所属機関:

東京工業大学原子炉工学研究所

■職  位:

准教授

■略  歴

平成5年東京大学理学部生物化学科卒業
平成10年同理学系研究科生物化学専攻にて博士号取得
平成8年?10年日本学術振興会特別研究員
東京大学大学院医学系研究科基礎放射線医学教室助手および
疾患生命工学センター放射線研究領域助手を経て
平成18年12月東京工業大学原子炉工学研究所助教授
平成19年4月より同准教授

■この事業での主な担当分野:

第四分野(分子応答)

■研究のキーワード:

DNA二重鎖切断、タンパク質リン酸化

■研究室URL:

http://www.nr.titech.ac.jp/~yoshim/

■コメント

私が最初に放射線生物学と出会ったのは大学1年生のときです。医学部の放射線基礎医学教室で行われていたゼミと実験に参加したのがきっかけでした。 放射線を浴びると自ら細胞が死ぬことがあり、それによって個体をがんから守っているという話―いわゆるアポトーシス―に非常に興味を持ちました。
大学院では、アポトーシスの分子機構を研究したくてその研究室に入りました。では、具体的に何をするか。 放射線を浴びた細胞がアポトーシスを起こすのはDNAの傷、特にDNA二重鎖切断に気付いたからだろうと考えました。 では、細胞はどうやってDNA二重鎖切断を見つけるのだろう、DNA二重鎖切断のセンサーは何だろう。そうして着目したのがDNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)でした。 以来、この酵素の性質、機能を研究しています。今取り組んでいる課題は、この酵素がどのタンパク質を何のためにリン酸化しているかということです。 放射線生物学は、放射線を浴びた生体に起こる反応を研究する学問分野ですが、実にさまざまな、ほとんどと言ってもいいくらい多くの生物学分野とつながりを持っています。
また、近年の研究で、極めて多くのタンパク質―約3万種類のヒトのタンパク質の中の数千種類―が放射線を浴びたときに何かの変化を起こすことが明らかになってきています。 これはDNAの傷や切断という現象が普遍的であり、また、全ての生体や細胞にとって極めて重要な出来事だからだと思います。 長い研究人生の中で何を研究していくにしても、若いうちに放射線生物学を学ぶときっと何かいいことがあると思います。

■インターンシップについて

受け入れ可。リン酸化状態特異的抗体の作製を中心に指導致します。