平成24年度 集中講義開講のお知らせ
締め切りは2月末日です。複数の講義を受講されても構いません。ふるってご参加下さい。
参加に必要な旅費、宿泊費は、本事業より支給されます。
注意:下記の集中講義は、人材育成事業「被ばくの瞬間から生涯」を見渡す放射線生物・医学の学際教育 の一環として開講されます。この人材育成事業への参加登録を済ませていない方は、「参加登録」をして下さい。追って事務局より、この集中講義の参加申し込みフォームをお送り致します。
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第1回集中講義
「個体応答の研究 -マウスを用いた低線量(率)放射線影響-」
被ばく後、数ヶ月から数年以内に観察できる生体応答について、主に動物モデルを用いた研究について紹介します。
日時:平成25年3月5日(水)
場所:東京都内京都大学オフィス(東京都港区港南2-15-1品川インターシティA棟27階)
第2回集中講義
「原爆被ばく者の長期追跡調査」
人間の集団の中で起きる事象の頻度や分布を調べ、その事象を決定する要因を探る学問を疫学といいます。
人間を対象とし長い年月がかかることの多い疫学調査と、条件のコントロールが可能で比較的短期間で結果が得られる生物学的実験は互いに補い合う関係にあります。放射線影響研究所は、60年以上にわたる原爆被爆者の疫学調査を続け、放射線の健康影響を調べている日米共同研究機関です。原爆被爆者の疫学調査がどのように行われてきたか、どのような結果が 得られているか、また、生物学的実験との接点や得られている結果の相違について解説します。
日時:平成25年3月18日(月)-19日(火)
場所:放射線影響研究所(〒732-0815 広島市南区比治山公園5-2)
第3回集中講義
「ICRP publication111を読み解く」
ICRP Publication 111は、原子力事故または放射線緊急事態後の長期汚染地域に居住する人々の防護に関する国際放射線防護委員会の報告書です。長期汚染地域に住む人達を防護しつつ復旧・復興への対応を進めるために国等が果たすべき責任は何か、また行政・専門家・被災した住民・一般市民などがどのように関われば有効で復興につながる防護を実現できるのかについて検討がなされています。放射線モニタリングに関連する施設の見学も予定しています。
日時:平成25年3月21日(木)-22日(金)
場所:放射線医学総合研究所(〒263-8555千葉市稲毛区穴川4-9-1)
第4回集中講義
「細胞の放射線初期応答 -DNA損傷と細胞周期制御-」
放射線の生物に対する影響は、大きさのスケールではミクロからマクロへ、すなわち分子レベルから細胞、組織、さらに個体レベルへと進んでいきます。放射線により細胞、組織及び個体がどのように運命付けられるかを明らかにするためには、放射線が分子・細胞にどのように作用するか、その初期応答の機構解明が不可欠です。本講義では、分子・細胞レベルの放射線初期応答に関連する現象として、DNA損傷、染色体異常、及び細胞周期の制御をキーワードとして、基礎的な内容から最新の研究内容まで幅広く紹介致します。
日時:平成25年3月27日(水)-29日(木)
場所:岡山大学 創立50周年記念館 2階会議室(岡山県岡山市北区津島中1丁目1-1)
なお、集中講義の後、下記の要領で、岡山大学三朝医療センターの施設見学等を開催します。ご希望の方は、「集中講義参加申込書」の希望理由欄に、「施設見学希望」とお書き添え下さい。
概要:岡山大学三朝医療センター見学と、これに関連する勉強会の目的は,ラドン温泉のリスクと効能に関する講演と,岡山大学病院三朝医療センター(鳥取県三朝町)の温泉療法の施設見学や三朝温泉での体験を通して,ラドン温泉の観点から低線量放射線の健康影響を考え,一般市民に低線量放射線の健康影響をどのように説明し,どのように不安を解消すべきかを考えるきっかけにすることです。飲泉療法やラドン吸入療法などの臨床現場と,ラドン効果を解明するための動物実験施設の見学を予定しております。日本で唯一のラドン研究施設です。
集中講義とあわせ、ふるってご参加下さい。
カリキュラム
時間 | ?講義タイトル | ?担当講師 | |
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?第1回集中講義 (東京都内京都大学オフィス)?「個体応答の研究 -マウスを用いた低線量(率)放射線影響-」 | |||
3月5日(火) | |||
10:15 ~ 10:30 | 0:15 | 挨拶と自己紹介・オリエンテーション | |
10:30 ~ 11:20 | 0:50 | 低線量率放射線の長期被ばくの健康影響と生物影響について | ?田中公夫 (環境科学技研) |
11:20 ~ 12:10 | 0:50 | 非標的効果の生物学的意義とリスク評価における考え方 | 冨田雅典 (電力中央研究所) |
12:10 ~ 13:30 | 0:80 | 昼食休憩 | |
13:30 ~ 14:20 | 0:50 | 低線量(率)放射線影響を調べるためになぜ動物実験が必要なのか 低線量率・低線量(低LET)放射線の生物影響について-病理学的側面- |
?田中聡(環境科学技研) |
14:20 ~ 15:10 | 0:50 | 低線量率放射線長期照射による組織と細胞の応答 | 杉原崇(環境科学技研) |
15:20 ~ 16:10 | 0:50 | 個体・組織を維持する幹細胞への放射線影響 | 大塚健介(電力中央研究所) |
16:10 ~ 16:40 | 0:30 | 自由討論まとめ | |
16:40 | 解散 |
時間 | 講義タイトル | 担当講師 | |
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第2回集中講義 (放射線影響研究所) 「原爆被ばく者の長期追跡調査」 | |||
3月18日(月) | |||
11:00 ~ 11:05 | 0:05 | 開講のあいさつ | 大久保利晃 (放影研) |
11:05 ~ 11:10 | 0:05 | オリエンテーション | 小笹晃太郎 (放影研) |
11:10 ~ 12:00 | 0:50 | 対象集団と用語の説明 | 小笹晃太郎 (放影研) |
12:00 ~ 13:00 | 1:00 | 昼食休憩 | |
13:00 ~ 13:50 | 0:50 | 被爆者の放射線リスク | 小笹晃太郎 (放影研) |
14:00 ~ 14:50 | 0:50 | 被爆者の子供の放射線リスク | Eric Grant (放影研) |
15:20 ~ 16:10 | 0:50 | 胎児の放射線リスク | 杉山裕美 (放影研) |
懇親会 | |||
3月19日(火) | |||
09:00 ~ 09:50 | 0:50 | 疫学概論 | 小笹晃太郎 (放影研) |
10:00 ~ 10:50 | 0:50 | 疫学の研究手法 | 定金敦子 (放影研) |
11:00 ~ 11:50 | 0:50 | 疫学で用いられる指標 | 坂田律(放影研) |
11:50 ~ 13:00 | 1:10 | 昼食休憩 | |
13:00 ~ 14:00 | 0:50 | マウス実験と疫学研究の接点 | 中村典 (放影研) |
14:10 ~ 15:50 | 1:40 | 生物学的な被曝線量評価の方法 1) ニ動原体染色体(dic) 2) 転座(t) 3) ESR |
1) 田代 聡 (広島大学) 2) 児玉喜明 (放影研) 3) 平井裕子 (放影研) |
16:00 | 閉講のあいさつ | 児玉和紀 (放影研) |
時間 | 講義タイトル | 担当講師 | |
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第3回集中講義 (放射線医学総合研究所) 「ICRP publication111を読み解く」 | |||
3月21日(木) | |||
12:00 ~ 12:20 | 0:20 | 開講式・ガイダンス | 酒井一夫・根井充 (放医研) |
12:20 ~ 12:30 | 0:10 | 休憩 | |
12:30 ~ 13:30 | 1:00 | ICRP publication111を読むに当たって | 酒井一夫(放医研) |
13:30 ~ 13:40 | 0:10 | 休憩 | |
13:40 ~ 14:40 | 1:00 | 放射線事故 | 根井充 (放医研) |
14:40 ~ 14:50 | 0:10 | 休憩 | |
14:50 ~ 15:50 | 1:00 | publication111の概要1 | 酒井一夫 (放医研) |
15:50 ~ 16:00 | 0:10 | 休憩 | |
16:00 ~ 17:00 | 1:00 | publication111の概要2 | 酒井一夫 (放医研) |
17:00 ~ 17:10 | 0:10 | 休憩 | |
17:10 ~ 18:10 | 1:00 | 自由討論 | 酒井一夫 (放医研) |
3月22日(金) | |||
09:00 ~ 10:00 | 1:00 | 見学1 | 内堀、立崎、高田、青野、他 |
10:00 ~ 10:10 | 0:10 | 休憩 | |
10:10 ~ 11:10 | 1:00 | 見学2 | 内堀、立崎、高田、青野、他 |
11:10 ~ 11:20 | 0:10 | 休憩 | |
11:20 ~ 12:20 | 1:00 | 見学3 | 内堀、立崎、高田、青野、他 |
12:20 ~ 13:20 | 1:00 | 昼食休憩 | |
13:20 ~ 15:20 | 2:00 | まとめ | 酒井一夫 (放医研) |
15:20 ~ 15:30 | 0:10 | 終了式 | 酒井一夫(放医研) |
時間 | 講義タイトル | 担当講師 | |
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第4回集中講義 (岡山大学) 「細胞の放射線初期応答-DNA損傷と細胞周期制御-」 | |||
3月27日(水) | |||
09:30 ~ 10:30 | 1:00 | 細胞内環境でのクロマチン動態とDNA損傷 | 加藤晃弘 (京都大学) |
10:45 ~ 11:45 | 1:00 | 放射線被ばくに対するヒト細胞のゲノム安定性維持機構 | 山内基弘 (電中研) |
11:45 ~ 12:45 | 1:00 | 昼食休憩 | |
12:45 ~ 13:45 | 1:00 | 細胞周期進行とその制御機構1 | 河合秀彦 (広島大学) |
14:00 ~ 15:00 | 1:00 | 細胞周期進行とその制御機構2 | 河合秀彦 (広島大学) |
3月28日(木) | |||
09:30 ~ 10:30 | 1:00 | ?DNA二重鎖切断修復と放射線・環境変異原 | ?小松賢志 (京都大学) |
10:45 ~ 11:45 | 1:00 | ?修復損傷応答と細胞内ネットワーク | ?小松賢志 (京都大学) |
11:45 ~ 12:45 | 1:00 | 昼食休憩 | |
12:45 ~ 13:45 | ?1:00 | ?細胞死1 | ?鈴木啓司 (長崎大学) |
14:00 ~ 15:00 | ?1:00 | ?細胞死2 | ?鈴木啓司 (長崎大学) |
※3月28日 (木) 希望者のみ | |||
15:00 ~ 16:00 | 1:00 | 講演1 ラドン療法の適応症とその機構に関する研究動向 | 山岡聖典(岡山大学大学院) |
16:00 ~ 17:00 | 1:00 | 講演2 医療被ばくのリスクをどう説明すべきか | 川辺睦 (岡山大学大学院) |
17:00 ~ 20:00 | 3:00 | 移動(依山楼岩崎) | |
20:00 | 懇親会 | ||
※3月29日(金)希望者のみ | |||
08:30 ~ 09:15 | 1:00 | 講演3 ラドンによる被ばくと線量評価 | 迫田晃弘 (日本原子力研究開発機構) |
09:15 ~ 10:00 | 0:30 | 講演4 小動物ラドン曝露装置の開発とその性能 | 石森有 (日本原子力研究開発機構) |
10:00 ~ 10:10 | 0:10 | 休憩 | |
10:10 ~ 12:00 | 0:50 | 施設見学 | |
12:00 ~ 12:05 | 0:05 | 開会の辞 | 廣内篤久(若手放射線生物学研究会 副会長) |
12:30 ~ 16:30 | 4:00 | 移動(岡山、昼食含む) |