■氏 名:
松本 智裕(まつもと ともひろ)
■所属機関:
京都大学放射線生物研究センター
■職 位:
教授
■略 歴
京都大学大学院理学研究科生物物理学科にて博士号取得(平成元年)。
その後、米国コールドスプリングハーバ研究所にて研究員。
平成6年7月より米国アルバートアインシュタイン医科大学・放射線癌治療科にて助教授。
平成13年6月より京都大学放射線生物研究センター教授。平成21年4月より同センター長。
■この事業での主な担当分野:
第四分野(分子応答)
■研究のキーワード:
染色体、チェックポイント、有糸分裂期
■研究室URL:
http://house.rbc.kyoto-u.ac.jp/radiation_system/m-index.html
■コメント
若い人達がのびのびと研究できる環境とは何でしょうか? 興味をもつ生命現象をとことん見つめ、その裏にあるメカニズムについてモデルを構築し、その真偽を実験で確かめることを、自由にできる環境であると僕は思います。そのために我々がお手伝いできることは、放射線生物・医学の分野にかかわる種々の現象の面白さを紹介し、モデル構築や検証実験のために必要な知識や技術を継承することです。この事業の合い言葉は「イザナイ ハグクミ」です。緑の双葉である皆さんが、将来の大樹になることを期待しています。
研究対象は染色体です。放射線による染色体の切断点には、テロメア配列が付加されて安定化することを見つけて学位論文のテーマにしました。学位取得後は、種々の染色体のダメージが、細胞周期の進行を遅延するメカニズム(チェックポイント)に興味をもって研究しています。放射線や化学物質、さらに細胞の内在性のストレスによる染色体の損傷部位から、細胞周期の制御シグナルが発信されます。全ゲノム中でほんの一塩基が損傷を受けていたり、たった一つの染色体が均等分配のための要件を満たしていないと、細胞周期は遅延します。まだまだ、背後のメカニズムについては分からないことばかりです。集中講義やインターンシップを通して、皆さんと議論したい課題は山積しています。
■インターンシップについて
受け入れ可。細胞周期の解析技術、クロマチンIP法、各種蛍光タンパク質を用いた細胞観察、酵母変異体の取得や解析法などを指導します。