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■氏  名:

小松 賢志(こまつ けんし)

■所属機関:

京都大学放射線生物研究センター

■職  位:

教授

■略  歴

東北大学大学院医学研究科にて博士号取得(昭和53年)
その後、東北大学医学部助手、ニューヨーク市コロンビア大学にて研究員、長崎大学医学部助教授
平成6年9月より広島大学・原爆放射線医学研究所にて教授
平成14年2月より京都大学放射線生物研究センター教授

■この事業での主な担当分野:

第四分野(分子応答)

■研究のキーワード:

ゲノム不安定性、DNA二重鎖切断の修復、NBS1(ナイミーヘン症候群蛋白)

■研究室URL:

http://house.rbc.kyoto-u.ac.jp/Genome/index.html

■コメント

我々の研究室では、1つの蛋白に焦点を絞り、生命現象の多岐にわたる生物機能とネットワークを解析する事に重点を置いています。 放射線高感受性や高発がん性を特徴とするナイミーヘン症候群の原因遺伝子NBS1はMre11ヌクレースをゲノム損傷部位にリクルートして相同組換えを開始します。
また、ATMキナーゼをリクルートしてS期やG2期チェックポイントを制御します。このDNA修復とチェックポイントを連結するためにクロマチン・リモデリングを開始させます。 NBS1による相同組換えはDNA修復に重要なだけでなく、減数分裂組換えによる生物多様性獲得に必須の機能です。
また、NBS1は免疫組み換えの蛋白として免疫多様性の獲得にも必須です。 細胞分裂の際に支点となる細胞質中心体の維持にもNBS1が必須です。さらに最近では、“放射線損傷の修復蛋白が人類の放射線発見以前に存在したのは何故か”の長年のパラドックスに答えるため、 紫外線損傷による複製フォーク停止時のNBS1機能から解析を進めております。このように多くの研究は幾つかの領域にまたがる学際的研究分野です。 1つの狭い研究領域に閉じこもるのでは無く、幾つかの生命現象を横断的に理解する視点に立って、生命の本質と研究の問題点を見通す学生の教育と研究者の育成を目指しています。
このたびの東京電力福島原子力発電所の事故は、我々のような基礎生物研究者にとっても他人事ではありません。 事故から間もない平成23年5月に汚染地域の住民のための放射線防護の手引き書(右図)を、我々の研究室を中心とした有志が翻訳して全国に配布しました。 研究テーマでも、上記の基礎研究に加えて放射線影響の年齢依存性などの放射線防護に密着した研究も開始しました。

■インターンシップについて

インターンシップについて:受け入れ可。レポーター遺伝子によるDNA修復能、各種蛍光タンパク質を用いた免疫染色、放射線感受性の各種マウス・ヒト細胞の利用法などを指導します(具体的にはあらかじめ相談して下さい。