■氏 名:
杉原 崇(すぎはら たかし)
■所属機関:
環境科学技術研究所
■職 位:
副主任研究員
■略 歴
筑波大学大学院農学研究科応用生物化学専攻にて博士号取得(平成7年)
平成7年4月より通産省工業技術院生命工学工業技術研究所にてCOE特別研究員
平成10年4月より中外分子医学研究所研究員
平成13年6月より環境科学技術研究所研究員
平成16年4月より同研究所副主任研究員
■この事業での主な担当分野:
第三分野(個体応答研究)
■研究のキーワード:
低線量率放射線、遺伝子組換えマウス、分子応答
■研究室URL:
■コメント
放射線生物学の世界は高線量率放射線照射を基礎とした研究を中心に発展してきました。 そのため、低線量率放射線がどのような生物影響を引き起こすかについてはあまりよく研究されていません。 しかしながら、福島第一原発事故以来、低線量率の長期被ばくによる影響が盛んに議論されるようになり、低線量率放射線研究の重要性が高まっています。 本研究所は設立以来、低線量率放射線の生物影響に着目して研究を行ない、長期の低線量率(0.0091 Gy/hで400日間)放射線照射はマウスの寿命を短縮させる効果があることを実証しています。 また、高線量率放射線と同じ総線量で低線量率放射線を培養細胞やマウスに照射した場合、高線量率放射線とは異なる放射線応答による分子シグナル変化が引き起こされることを見出しています。 今後、低線量率放射線研究は従来の高線量率放射線を用いた分子応答とは異なる視点を持ち、遺伝子組換えマウス等を使用して新たな研究を展開していく必要があると考えています。 低線量率放射線研究の現象論から分子的な解析への展開はまだ初まったばかりです。本セミナーによって新しい視点での放射線生物学を行う一助としてもらえればと思います。
■インターンシップについて
受け入れ可。異なる線量率(低~高)による放射線照射(培養細胞、遺伝子組換えマウス)、マイクロアレイ解析、遺伝子発現解析、組織培養、タンパク質解析、組織標本の定量解析などを指導します。