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yoshida

■氏  名:

吉田 光明(よしだ みつあき)

■所属機関:

弘前大学被ばく医療総合研究所

■職  位:

教授

■略  歴

弘前大学理学部生物学科を卒業後、北海道大学理学部附属動物染色体研究室を経て
昭和57年12月より米国Roswell Park Memorial研究所にて研究員
昭和60年4月より東京医科歯科大学難治疾患研究所細胞遺伝部門助手
その後、国立病院九州がんセンター臨床研究部で主任研究官として3年間勤務
平成15年6月より放射線医学総合研究所緊急被ばく医療研究センター生物線量評価室室長
平成22年4月より弘前大学被ばく医療総合研究所教授

■この事業での主な担当分野:

第一分野(防護と被ばく医療)

■研究のキーワード:

染色体異常、生物学的線量評価、放射線発がん

■研究室URL:

■コメント

1986年のチェルノブイリ原子力発電所の事故、1999年の東海村JCO事故、そして昨年の福島第一原子力発電所の事故等々、このような放射線事故では多くの人々が被ばくをし、 また、一部の人では被ばくした放射線の影響によって生命が失われるという事態も引き起こされている。 放射線の被ばく事故では一刻も早く被ばくした放射線量を推定する事が、その後の被ばく者に対する医療措置に大きく影響を与える。 放射線はDNAに切断を引き起こし、最終的に染色体異常を形成する事が知られている。 この染色体異常の形成頻度が放射線の量と相関関係を示す事から、被ばくした人の細胞(リンパ球)における染色体異常の頻度が求められれば、被ばくした放射線量を推定得ることが可能であり、 線量評価法の中では現在最も信頼される生物学的線量評価マーカーとされている。
しかし、近年、極めて残念なことに、この染色体異常を顕微鏡下で正確に解析できる人材が急速に減少しているのが現状である。 この現象は日本に限られた事ではなく、国際的に共通した傾向であり、とりわけ緊急被ばく医療の分野では非常に深刻な問題となっている。 DNAの塩基配列は読むことが出来ても、顕微鏡下で染色体を正確に解析できる人材がいない。 今、緊急被ばく医療体制の構築に染色体異常を用いて線量評価が出来る人材の確保が大きな課題として立ちはだかっている。 多くの若い学部生や大学院生の中から一人でも二人でも、染色体に興味を持ち、染色体解析の分野に進む人材が出てきてくれることを期待したい。

■インターンシップについて

受け入れ可。分離リンパ球培養法、全血培養法、 染色体分染法など染色体解析技術の指導。染色体異常とくに二動原体染色体や環 状染色体を指標とした生物学的線量評価法の指導。